2026年8月23日、佐渡島十字架行進DAY01。海を渡ってきた片山さんご一家と仲間たちは、両津から十字架を担いで歩き始めた。その日の行程の先に待っていたのは、父・母・娘、ご家族三人の洗礼式だった。

賛美と祈りの中で、一人ひとりが「信じます」と答え、同じ海へ入っていく。涙、祝福、聖餐、そして洗礼証明書に記された言葉まで。この映像は、ご家族にとって一生残る一日を丁寧に記録している。

佐渡の道で十字架を担いで歩くダイスケさんとアーサー・ホーランド
洗礼を数時間後に控え、佐渡の道で十字架を担ぐお父さんのダイスケさん。

十字架を担いだ一日の先に

片山さんご一家は、この日のために新潟から海を渡って佐渡へ来た。お母さんの恵子さんは二年半前に一人で洗礼を受け、その後の歩みをそばで見てきたご主人と娘さんも、信仰を告白して洗礼を受けることになった。

洗礼の前、ダイスケさんはアーサー先生と並んで十字架を担いだ。遠くから運ばれてきた十字架が佐渡の道を進み、やがて静かな入り江へ着く。浜辺では賛美歌「主は今生きておられる」が歌われ、家族のための祈りが捧げられた。

海辺の洗礼式を前に祈るアーサー・ホーランドと参加者たち
目の前には、穏やかな佐渡の海。賛美と祈りの中で洗礼式が始まった。

儀式以上に大切な「意識」

式を始める前、アーサー先生は洗礼の意味を語った。洗礼は儀式である。けれど、意識の伴う儀式は意味あるものになり、意識のない儀式は形だけで終わってしまう。大切なのは、何を信じ、その一歩を何のために踏み出すのかを心に持つことだという。

心で信じたことを、形で表すのが洗礼式だから。ARTHUR HOLLANDS

水の中に沈むことは、古い自分の死を表す。水から上がることは、死に打ち勝ってよみがえったイエス・キリストとともに新しく生きることを表す。洗礼は、見えない心の決意を、見える一歩として表すものだった。

「自然と涙が出るんですけど」

最初に海へ入ったのは、ダイスケさんだった。祈りが終わる頃、自然に涙があふれてきた。戸惑いながら「自然と涙が出るんですけど」と話すと、アーサー先生は静かに応えた。

いいんだよ。それ、ジーザスが触れてくれてんだよ。ARTHUR HOLLANDS

「あなたはイエス・キリストを罪からの救い主として信じますか」——「信じます」BAPTISM CONFESSION

その告白のあと、ダイスケさんは水へ沈み、再び立ち上がった。続く祈りでは、夫として、父として、一人の人間として、イエスの愛を体験しながら歩めるよう祝福が捧げられた。

佐渡の海でアーサー・ホーランドに支えられ洗礼を受けるダイスケさん
「信じます」。涙のあと、ダイスケさんが佐渡の海で受けた洗礼。

お母さんの願いが、家族の歩みになる

次は恵子さん。二年半前に受けた洗礼の思いを、今度は家族とともに新たにした。アーサー先生は、美容師として多くの人に触れる恵子さんの働きを覚え、その場所に慰めと励ましが広がるよう祈った。

一人で始まった信仰の歩みが、夫と娘へつながり、同じ日に、同じ海で「信じます」と答える時になった。祈りの中で語られたのは、「彼女の心の底にある願いが、今日成就した」という感謝だった。

彼女の心の底にある願いが、今日成就したことも感謝します。ARTHUR HOLLANDS

佐渡の海で家族とともに信仰の思いを新たにし洗礼を受ける恵子さん
二年半前の決意を、今度は家族とともに。恵子さんの洗礼。

「ここでちゃんと支えるから、大丈夫だよ」

最後に海へ入ったのは娘さんだった。少し緊張する姿に、「ここでちゃんと支えるから、大丈夫だよ」「一瞬だよ」と声がかかる。両側からしっかり支えられ、娘さんも「信じます」と告白して水をくぐった。

ここでちゃんと支えるから、大丈夫だよ。ARTHUR HOLLANDS

祝福の祈りでは、これから新しい世界へ進んでいく日々の中でも、神様が平安と良い友を与え、豊かな人生へ導いてくださるよう願いが捧げられた。

アーサー・ホーランドと後藤さんに支えられ佐渡の海で洗礼を受ける娘さん
「ここでちゃんと支えるから、大丈夫」。笑顔で立ち上がった娘さん。

三人が同じ海で答えた「信じます」

父、母、娘。一人ひとりの洗礼のあと、家族のために仲間たちが祈った。背伸びするのではなく、ジーザスとともに人生を楽しみ、互いに手をつなぎながら成長し、その祝福を周りへ届ける家族となるように。

家族三人が同じ日に洗礼を受けることは、決して当たり前ではない。アーサー先生は「あなたたちも嬉しいけど、俺たちも嬉しい」と喜びを分かち合った。浜辺には拍手と「おめでとう」の声が重なった。

あなたたちも嬉しいけど、俺たちも嬉しい。ARTHUR HOLLANDS

洗礼後に佐渡の海を背に十字架を囲む片山さんご一家と仲間たち
洗礼を終えたご家族と仲間たち。十字架と海を背に、この日の喜びを一枚に。

浜辺の聖餐と、DATE WITH JESUS

洗礼のあと、浜辺では聖餐式が持たれた。裂かれたイエスの体を覚えるパンと、流された血を覚える杯。普段の生活ができること、この場所に集い、生きていること自体が奇跡であると感謝しながら、ともに受け取った。

その後、ご家族三人へ、アーサー先生オリジナルの聖書『WALK ACROSS BIBLE — DATE WITH JESUS』が贈られた。巻末にある洗礼証明書へ、一人ずつ記念の言葉とサインが書き込まれる。恵子さんの聖書には「LYDIA/使徒行伝16章14節」と記された。

DATE WITH JESUSの巻末にある洗礼証明書へ記念の言葉を書くアーサー・ホーランド
『DATE WITH JESUS』の巻末にある洗礼証明書へ、記念の言葉とサインを記すアーサー先生。

形にした信仰を、日々の歩みへ

洗礼はゴールではなく、新しい歩みの始まりである。あの日、三人が心で信じたことを「信じます」という言葉と洗礼の形で表したように、信仰はそれぞれの日常の中で続いていく。

ダイスケさんにとって、この浜は毎年訪れる馴染みの海でもあるという。これから海を見るたび、家族で受けた洗礼の日を思い出せる。「毎年、思い出せるってことです」。佐渡島十字架行進の初日に与えられた恵みは、ご家族の歩みの中で、これからも新しく刻まれていく。

今日の問いに戻ろう。心で信じていることを、あなたはどんな一歩で形に表すだろう。大きなことから始めなくていい。信じていることを祈りの言葉にし、信頼できる人へ伝える。その小さな一歩を、神様は新しい始まりとして用いてくださる。